17年ぶりのイタリア 2018年1月 その4 ― 2019年06月17日 22:55

 イタリアに行って、いつも思うのは、文化が豊かだということだ。世界遺産が世界で一番多い国だそうだが、そういう遺産ではなく、例えばローマではいつも多くの展覧会が催されている。
 昨年の1月に行ったときには、3つの展覧会を見てきた。いずれも日本では中々見られないものだった。

 ひとつはライカ100周年の展覧会。
 ヴェネツィア広場にあるビットリオ・エマヌエレⅡ世記念堂のちょうど裏側にある、complesso del vittoriano で開催されていた。
 I Grandi Maestri -100 anni di fotografia Leica-
と題された、著名な写真家たちがライカを使って撮影した写真の展覧会だった。
 ライカの誕生からの変遷を辿りつつ、有名な写真が並んでいた。世界的に有名になり、今でもTシャツなどにプリントされているチェ・ゲバラの写真などもあった。
ここでその一部が見られる。sfoglia il libroってところをクリックしてみてください。
http://www.contrastobooks.com/product_info.php?products_id=800

 同時期に同じ場所で開催されていたのがモネの展覧会。
 パリのマルモッタン・モネ美術館の所蔵品を展示したもので、60点の作品が来ていた。晩年の日本庭園を描いた作品。も多く展示されていて、解説を読みながら、興味深く鑑賞することができた。日本だと、人気のある画家の展覧会は、人で溢れていてゆっくりと鑑賞することが中々できないのだが、ローマではそんなこともなく、むしろゆっくりしすぎて後の約束に間に合わなくなる心配があったりするのだが、そんなところもやっぱり文化的に豊かなんだなーと思うのだった。

 もうひとつ、ある意味感激して見たのが、ピンク・フロイドの展覧会だった。ピンク・フロイド、デビュー50周年を記念しての大回顧展が、イギリスに次いで、ローマで開催されていた。
 プログレッシブロックの代表的なバンドとして、僕が高校生の頃から聞いていたグループで、その大回顧展が奇しくもローマで開催されていたのだ。
 ローマ現代アート美術館で行われた展覧会は、ピンク・フロイドの使った様々な機材も展示されおり、また手法も結構凝っていて、楽しいものだった。訪れた時は、時間があんまりなくて、ちょっと駆け足気味に見ることになったのが、残念だった。
 イギリス→イタリア→ドイツ→スペインと世界を回って開催されているようで、日本に来るかどうかはまだわからない。日本に来たら再度見てみたいと思うのだが、、、

17年ぶりのイタリア 2018年1月その5 ― 2019年06月27日 12:30

 昨年2018年は、1968年からちょうど50年に当たる年で、イタリアでは1月から、50周年記念にまつわる様々な催しが行われていた。
 多くの左派系雑誌が特集を組んでいたり、68年の反体制運動とはなんだったのかを討論するセミナーなどが開かれていたのだった。
 ちなみにイタリア語版のwikipediaで1968年を見てみると、月別年表の1月最初にIl Sessantottoとして別項目で解説がある。
 https://it.wikipedia.org/wiki/Sessantotto
 残念ながら日本語版には、この項目はないようだ。
 それでも、日本語版wikipediaの1968年の項目を月を追ってみていると、この年にいかにいろんなことが起きたのかがわかる。
 1月5日にプラハの春が始まり、1月29日に東大闘争が始まり、1月30日には、ベトナムでテト攻勢が始まっている。
 2月26日には三里塚で農民と警官隊との衝突があり、4月4日にはマルティン・ルーザーキング牧師が暗殺され、5月にはフランスの5月革命があり、6月5日にケネディ大統領暗殺。6月25日には小笠原諸島が沖縄に先立ち日本に返還されている。
 8月24日には、フランスがサハラ砂漠で水爆実験。10月にはカネミ油症事件が発生。10.21国際反戦デーで新宿駅が選挙されたのもこの年のことだ。
 僕は当時10歳だったので、はっきりと記憶しているわけではないが、前年の1967年に暗殺されたチェ・ゲバラ、ケネディ暗殺、キング牧師暗殺は、後々まで伝えられている出来事だし、翌年1969年1月の東大安田講堂での機動隊と学生の攻防戦などは、テレビで見ていた記憶がある。
 1968年とはそんな年だったようだ。
 2018年1月に、MicroMegaというイタリアの雑誌が、68年特集特別号の発売を記念してローマ大学の大講堂で、出版記念の集まりを催したので、僕も行ってみた。
 当時の学生運動のリーダーだった連中も、年を取り、大学教授になっていたり、政治家になっていたりして、当時のことをいろいろと話したのだが、多くの男性演者が昔のことを懐かしむような話をしたのに対し、ルチャーナ・カステリーナの話が一番面白かった。1968年に誕生した運動を、どうやって現在の運動に結びつけていくのかってことを中心に話をしていたからだ。
 後半、カステリーナとイタリア語版ハフィントンポストの編集長(これも女性)、若者の代表(これも女性)のパネルディスカッションがあったのだけれど、これが中々に聴き応えがあって、昔のことを懐かしむのではなく、どう若い世代に伝えていくのかというルチアーナ(現在89歳くらい)と、昔のしがらみなど関係なく運動を進めている若者と、その間を取り持とうとする司会の編集長の噛み合うようでいて噛み合わないもどかしさと、互いに理解しようとする前向きな姿勢が、具体的な話の内容までははっきりと覚えていないが、イタリアにはまだこういう流れが、断ち切られずに残っているんだなと何やらちょっと嬉しくなったのを覚えている。

映画 新聞記者 見てきた ― 2019年06月28日 20:55

 「新聞記者」見てきました。
 一部で話題になっている(と思われる)映画です。
 間もなく参院選があるわけですが、その前に公開されたっていうのは意味のあることかと思います。
 安倍政権になってからの目に余る数々のスキャンダルと、それをほとんど報道しないマスコミ。全く責任を取ろうとしない当事者である政治家たちにかなりイライラしているわけですが、それでも選挙をやると、何故か自民党が勝ってしまうという僕的には理解し難い状況がずっと続いている中で、ちょっとだけ、溜飲が下がった映画と言えるかもしれません。
 でも、これでガス抜きができるわけではないのですが。
 イタリアの政治状況も、日本と似ているところがあり、現政権に対する不満がかなり高まってきていて、それでも選挙をすると与党が勝ってしまうという、これまた理解に苦しむ状況があります。
 映画はあくまでもフィクションなのですが、現実に有り得そうなことも多く描かれていました。まあ、一部はやり過ぎじゃないってところもあったけど、エンタテイメントにするためには、脚色も必要なわけで、、、
 いずれにしても、この手の映画がヒットすることで、日本の現状が少しでも好転すればいいなぁーと、他人事のように思っている自分もいます。
 映画を作成したvapと配給したイオンエンタテインメントには、拍手を送りたいと思いました。