2018年 イタリア 10月編 その22019年08月06日 09:43

rats & star
 2018年10月3日にローマに到着して、前回と同様にコロッセオ近くの友人の家に居候する。
 10月7日のペルージャ−アッシジ平和行進の前に、少しだけローマ市内を回った。
 この時行われていたのが、「アンディ・ウォーホル展」だった。
 僕の若い頃、日本でも彼の展覧会が開催されたことがあり、エンパイアステートビルをひたすら映し続けるって映画を見たことがある。全く意味はわからなかったけれど、、、
 2018年は、彼の生誕90周年ってこともあって、この展覧会が企画されたらしい。
 有名なキャンベルスープ缶とかリズ・テーラーとか、毛沢東やレーニンの肖像があり、ミック・ジャガーのものもあった。そんな中で、びっくりしたのは、日本のラッツ・アンド・スターのレコードジャケットをウォーホールが手がけていたってことだった。

2018年 イタリア 10月編 その32019年08月09日 22:14

 ローマからペルージャに移動し、10月7日の平和行進に参加した。
 前日の夜には、ローマからペルージャ近郊の僕がいつも居候するアグリツーリズモに一泊して参加しようという友人たちもやってきて、30年以上ぶりの友人たちとも再開することが出来た。

 当日は、途中、通り雨があるような天気だったのだが、みんな楽しそうに、歩いていた。
 イタリアの現在の政治状況については、そのうちまた書こうと思うのだが、多くの心ある人々は、かなりの危機感を持っていると感じた。
 当時も今も、イタリアの政権与党は、5つ星運動とレーガの連立政権なおだが、レーガ(同盟)は、かつての北部同盟の流れを汲む政党で、移民排斥を強硬に主張している。
 そんな中で、この時の平和行進は。人権問題をテーマにしていた。
 行進の中で、中学生や高校生のグループが、昔懐かしい音楽を流していたのが印象に残っている。インティ・イリマニの「エル・プエブロ・ウニド・ハマス・セラ・ベンシード」なんて歌を歌っていたりして、オイオイって感じとちょっとコソバユイ気持ちとが交錯したりした。
 行進の途中で、昔の懐かしい友人たちとも会えたのが、なんといっても嬉しかった。
 後で、聞いた話なのだが、参加者の年齢層が、若者と年寄りに偏っていて、30代40代の年代は、多くがイタリアの失業率が高いため海外に出てしまっているからだという。
 EUが統合されてから、エラスムスという制度が出来て、https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%A9%E3%82%B9%E3%83%A0%E3%82%B9%E8%A8%88%E7%94%BB
ヨーロッパの若者たちがEU圏内で移動できるようになったことが、失業率の高いイタリアから、海外へと若者が移動する大きな要因となっているようだ。
 確かに、英語を話すイタリア人の若者が増えているという実感は、僕も持った。
 若者の流動化が進むことは悪いことではないと思う。だが、その反面、失業率の高い国から若者が流失してしまうということは、この時、初めて知った。

高畑勲展を見てきた。2019年08月17日 08:32

 先日、東京国立近代美術館で開催されている、高畑勲展を見てきた。
 今年の春には、神田明神で開催されていた、鈴木敏夫とジブリ展も見たのだけれど、それと比べると、英語の解説が付いていたのだ印象的だった。
 とは言っても、太陽の王子ホルスの制作過程なので交わされた手書きの資料とかは日本語だけだ。
 ジブリ作品は、海外でも人気があり、この展覧会にも多くの外国人が見に来ていたが、細かいところまでの理解は難しいかもしれない。
 日本人でも、手書きの資料を丁寧に全部読むことは、無理なのだから。
 しかし、それらの手書き資料が、本当に面白かった。太陽の王子ホルスの制作過程に於いて、宮崎駿は、主人公の名前をヒルダ=シータ、ホルス=パズーにしたらどうか、とか、ヒルダが胸に下げているペンダントを飛行石とする案などを提案していて、天空の城ラピュタの原型が、既に宮崎駿の頭の中に在ったことがわかる。
 また、ホルスの中の村の設定案のスケッチなどを見ると、もののけ姫の村の原型とも思われるものがあるし、人間と動物との関係の論争などのメモもあり、既にもののけ姫の中で描かれている自然と人間の関係の元が在ったりする。
 現在の朝ドラの「なつぞら」にも描かれていた主人公の女の子のキャラクター設定のモデルとなった絵も在ったりする。朝ドラの主人公奥原なつのモデルとなった奥山玲子が描いたいくつものスケッチと決定稿となった小田部羊一の絵が並んでいる。実際朝ドラで使われたキャラクターの絵も、小田部の手によるものだという。
 新海誠監督の「天気の子」公開直前に、テレビでアニメーションの制作に当たって、観客の感情の動きを推測したグラフを作っていると語っていて、そこまで考えて作っているんだと感心しだのだが、この展覧会で、既にホルスを制作するときに、テンションチャートが作られていることを知った。
 高畑勲と宮崎駿が東映動画で、労働組合活動をやっていたことはよく知られていると思うが、ホルスの制作過程においても、制作作業をどのように民主的に行うことができるかと議論している。
 アニメーションの制作現場はとかくブラックだと言われているが、当時のアニメーターたちは、高い志を持って、労働のあり方についてまで議論しているのは、とても興味深かった。
 展覧会全体のほぼ半分ほどが太陽の王子ホルスの制作に関する資料に当てられているが、内容を見るとそれも納得できる。
 細かい手書きの資料やラフスケッチなどをじっくりと見るのはちょっと忍耐がいるけれど、その価値はある展覧会だった。