オスカー・チャヴェス、コロナで死亡2020年05月01日 18:39

新型コロナの感染拡大防止のための緊急事態宣言が出されてから、派遣の仕事もやめて家にいる。
年齢的にも、感染すると重症化すると言われる層に該当するし、派遣先でうつしてもうつされても嫌なので、当面経済的にもどうにかなりそうなので、ステイ・ホームしている。
時間はあるので、ブログの更新もできそうなものなのだが、気分的にどうも気が進まない日々が続いていた。
以前やっていたブログも、東日本大震災があって、自分が何かを発信する意味が見いだせずに中断したことがある。
今の世の中に、何らかの貢献ができるような情報を持ち合わせていないってこともあり、どんな人が読んでくれているのかはわからないのだけれど、自己満足的に、自分の書きたいこと、思うことをブログに綴ることに意味を感じることができない。
そんな中でも、自分の友人たちがいるイタリアとメキシコのニュースを読んだり、友人たちとのチャットはしているので、日本には伝わってこない話も耳に入っていることはあると思っている。
で、今日、ネットでメキシコのニュースを見ていたら、オスカー・チャベスがコロナに感染して、85歳で亡くなったという報道を目にした。
僕が初めてメキシコで買った、歌手のレコードが、オスカーチャベスのものだった。
1980年代のことで、社会風刺や政治風刺の歌詞が好きだった記憶がある。
訃報を知って、改めてネットで彼について調べてみた。スペイン語版のwikipediaを読んでみると、1968年にメキシコシティで起きた三文化広場での虐殺を歌ったMexico68というレコードやチアパスのサパティスタを歌ったChiapasというレコードなどを出していることも初めて知った。
中でも興味深かったのは、彼の若い頃、佐野碩の演劇学校で学んだことがあると書かれていた。佐野碩は、初めて聞いた名前だったのだが、wikipediaで佐野碩を読むと、相当に興味深い人物だったようだ。
かつての労働運動の歌として有名なインターナショナルの日本語訳をしのも彼だという。
wikipediaの中に書かれている黒沼ユリ子との逸話も興味深かった。
僕が初めてメキシコに行った頃、彼女が書いた岩波新書の「メキシコからの手紙」につよい感銘を受けて、メキシコ在住だった彼女の家を訪ねたことがある。
自らの若かりし頃の記憶が、オスカー・チャベスの死によって、いろいろと蘇ってきた。
新型コロナによって、外出禁止令が出ているイタリアの友人たちのチャットを読んでいて、彼らの心の変化をなんとなく見ているのだが、長時間家に籠もることで、過去の記憶と向き合う時間を持っている人たちもいるようで、なんとなく、自分もそんな感じになっている。
コロナが何を世界にもたらしたのか、これからどう変わってゆくのか、自分自身のあり方を再度考えてみなければと思ったりもしている。